ブロンプトンで遠足

歩いて散歩・ブロンプトンで散歩

東京と川崎の宇奈根地区を、古い地図で見たらガッテンしました

 

東京都と川崎市にある同じ地名の「宇奈根」の、2回目です。

 

1回目の3月27日はあっちこっち走って、宇奈根という名前がついた場所を路上採集しました。

 

今回のテーマは、

川崎市側の宇奈根は東京側の飛び地だった、ということを古い地図を使って確認する

ことです。

 

そして今回使うのは、前回のポタリングで行った場所のうちの4つです。

確認のために、もう一度写真を見てみましょう。

世田谷区 宇奈根氷川神社

 

世田谷区 宇奈根の渡し跡

 

川崎市高津区 宇奈根の渡し跡

 

川崎市高津区 氷川神社

 

4個所の位置関係

そしてここからは、地図を使います。

つぎは、現在使われている地図に4つの場所を載せたものです。

 

多摩川のなかに東京都と神奈川県の境の線が、クネクネしてますね。

宇奈根という地名の表記も、多摩川を挟んで両方にあります。

 

宇奈根村の範囲はどこまでか

つぎは明治14年の地図です。

色からして古い感じが出ています。

 

この明治の地図には、3か所の場所を載せました。

川崎市高津区の氷川神社は載せてません

なぜなら、この明治14年には、川崎市高津区に氷川神社は無かったからです。

 

前回のポタリングで見た高津区の氷川神社の石碑には、昭和2年に今の世田谷区の氷川神社から分祀したとありました。

たしかにこの地図にも、神社らしい建物はありません。

 

地図の赤い線は現在の東京都側、当時の北多摩郡と、現在の川崎市側、当時の橘樹郡(たちばなぐん)との境界線です。

 

そしてちょうどこの赤い線で囲った少し黄色い色の範囲が、宇奈根村だったんですね。(便宜上、直線で囲ってあります)

 

この地図にも宇奈根村という文字が、右から左へ読めます。

 

宇奈根村の氷川神社は拡大地図で見る

ではほんとうに、今の世田谷区に氷川神社があったの?という疑問が出てきます。

そこで地図を拡大しました。

 

拡大した地図からは、氷川社という文字が読めます。

ほんとうに、宇奈根氷川神社は存在してたんですね。

 

宇奈根村の範囲を現在の地図に載せたら

ということで、古い地図で見た北多摩郡宇奈根村の範囲を、現在の地図に載せたのがつぎの地図です。

 

どうですか、川崎市高津区の宇奈根地区は、北多摩郡宇奈根村の範囲にすっぽり入ってます。

現在の地図には、高津区の氷川神社もしっかりとありました。

 

ここまでくれば、なるほどです。

川崎市高津区の宇奈根は、東京側の飛び地でした。

めでたしメデタシで、ガッテン。

 

宇奈根さがしの1回目の路上採集

世田谷側と川崎側を、渡し舟で行き来していたころの話です

 

地図の出典

◆古い地図について

地図は「農研機構農業環境研究部門」内「歴史的農業環境閲覧システム」の画像に、場所等の名前や記号を追記して掲載。
また、記号等の追記には「ひなたGIS」を用いた。

農研機構農業環境研究部門
https://www.naro.go.jp/laboratory/niaes/

歴史的農業環境閲覧システム
https://habs.rad.naro.go.jp/

地理情報システム ひなたGIS
https://hgis.pref.miyazaki.lg.jp/hinata/

 

◆地理院地図について

国土地理院発行の電子地形図「タイル」、陰影地形図「アナグリフ」、空中写真などを複製し、自転車走行軌跡や記号等を追加して掲載してます。
地理院タイル一覧ページ
https://maps.gsi.go.jp/development/ichiran.html