この地図の名前は「御開港横浜之図」
いままで掲載していた絵図よりも、古い資料を発見したので、ここいらで内容を変更します。
・・・
ところで、1859年に横浜が開港してますね。
この絵図は1860年頃のものだそうです。
たった1年でこんなになるの?、という疑問を持つのも当然ですけど、年代はダイタイということでいいと思いますよ。
で、この絵図をよーく見ると、西の橋と前田橋の文字がわかります。
ということは、左端の橋は谷戸橋ということになりますね。
そして今回のテーマは
昔の谷戸橋と、そこにあった関門の場所を探す
にしました。
つぎの絵図は、上の絵図の谷戸橋のところを拡大しました。
いままでアッチコッチの絵図やら地図を見てきたので、この絵図のなかに書き込んだ場所などについてもわかりました。
かんたんに説明します。
- 谷戸橋の前には水町通りがあります
- 谷戸橋の左下の海辺よりには、その後のグランドホテルの場所です。
- ヘボン邸の場所は、谷戸橋を左に見るところです。
- 谷戸橋へ続いている坂道は、谷戸坂ですね。
- 「谷町」という書き込みがあります。
ところで、関内というのは、関門の内側というのは知ってますよね。
以前に、自転車で吉田橋にも行って、写真もいろいろ撮りました。
この絵図でいちばん面白いところは、関門がシッカリ描かれているんですよ。
よく見てください、谷戸橋の川向こう側の通りです。
谷戸橋に入るあたりの海側に、門ができてます。
人の絵がいくつかありますよ。
谷戸坂を下って、谷戸橋に入るあたりにも、他の家とは違う小さな建物がありますね。
これも関門の仕事をするところでしょうか。
赤い色で書かれた書き込みのところにも、どうやら門らしいものが描かれてます。
ということは、谷戸橋の関外側は、三つの方向に関門があったんですね。
与太郎さんは、どっちからも関内へは入れなかったんだ。
ここからは古い地図にあった、谷戸橋の場所を、実際に見つけましょう。
ということで、さっそくやってきました、現在の谷戸橋です。
こっちは、交番側から撮ってます。
シドモア桜が満開になるのは、まだまだ先ですね。
谷戸橋の全景です。
で、谷戸橋の関内側に来て、キョロキョロしてます。
そうなんですよ、目の前にはヘボン博士邸の記念碑があるはずなんですけど、そこはマンションでした。
ということは、昔の谷戸橋はここではなかったんですね。
もういちど、地図をながめて、ナールホドとわかりましたよ。
もう少し下流です。
ではつぎの写真で、結論を言います。
わたしが立っている川の向い側が、関内です。
- 写真には、旧グランドホテルがあった場所、水町通り、旧ヘボン邸があった場所が写ってます。
- 先ほどの絵図と比較すると、グランドホテル、水町通り、ヘボン邸の位置関係が、そのまんまです。
ということは、 わたしが立っている左側あたり、フランス橋の下あたりに昔の谷戸橋があった、ということになりませんかね。
そして関門は、わたしが立っている場所の両側にあった、ということですね。
で、ここの所在地は何というのかとキョロキョロして、わかりそうなものは、何もないですけど、見つけたのはこの電柱でした。
そこで東電さんへお願いです。
この電柱番号を「谷戸坂43旧谷戸橋跡」という名前にしてはもらえませんでしょうかね。(ムリだろね)
昔の谷戸橋の場所と関門の場所がわかったところで、山下橋を渡って、関内側に入ります。
さてここからは、グランドホテル跡と水町通り、ヘボン邸跡を見に行きましょう。
信号の向う、横断歩道の先にグランドホテルがありました。
そして右の山下公園通りは、当時の海岸通りですね。
海岸通りは「バンド」と言っていたそうです。
グランドホテルがあった場所には、すんごい名前の保育園ができてました。
「うちゅう保育園」
うちゅう保育園の前を通り過ぎて、関内側を歩いてます。
この通りは絵図にもありました、ヘボン邸の場所とグランドホテルの間の路地です。
その名も「水町通り」
そして水町通りから、さっきまでいた昔の谷戸橋側を見てます。
電柱番号は一般的ではないので、昔の谷戸橋の場所は、陸橋のフランス橋の下というほうがわかりやすいですね。
そしてヘボン博士邸跡の記念碑に来ました。
パチパチ写真を撮っていたら、なにやら見学会のご一行様が到着です。
ガイドさんの話に、ときどき、うなづいている同じ格好のおばちゃんたちでした。
ちょうど一人のガイドさんがいらしたので、聞いてみました。
わたし
「あのー、昔の谷戸橋は、今の谷戸橋の場所にあったんですか?」
ガイドさん
「いやー、少し下にあったんですよ。木製でした」
ガイドさんは、細かく「あそこにあった」とはいいませんでしたけど、今回のわたしの見方が正しかったです。
そして、わたしなりに昔の谷戸橋の場所と、横浜「関内」の元になった「関門」、そのひとつの「谷戸橋の関門」の場所がわかって、スッキリしました。
と、こんな具合で、他の関門についても調べていきますよ。
※2021年1月15日・再度改定して掲載
○月日:2018年12月2日日曜日
○時間:10時~13時
○場所:横浜・関内
○距離:4Km徒歩
西の橋と前田橋にあった関門
「関門」でも、九州の「関門海峡」を歩いて渡った記事
開港の道「よこはま道」を歩きました