横浜開港資料館の中庭には、明治時代の水道の「獅子頭共用栓」と、水道から出た水を受けるための “側溝” の「ブラフ溝」があります。
で、このブラフという名前がどうにもヒッカカッテしまって、いろいろと調べましたよ。
そしてやって来たのは、ここ元町公園です。
この場所には、ブラフ溝の本物があるんですね。
ブラフ溝は、きれいな台の上に乗っかっている細長い石です。
どう見ても、ただの石ですね。
でもこの石は、ただの石ではなかったんですよ。
ブラフ溝は、明治7年から8年にかけて製作されたもので、洋風の側溝としては、最古のものだそうです。
ブラフ溝は、道路の側溝です。
水を流しやすくするために、石をまあるく削って、二つを貼り合わせてますね。
うまいことするもんです。
ブラフ溝の本物を見たあとで、では、横浜の山手のなかに、どれだけブラフ溝がいまでも残っているのか、実地調査に行きます。
きょうは、坂を四つ歩きますので、自転車は使いません。
スタコラ歩いていると、こんな看板を発見。
ブラフテラス。
この看板の後ろで、お姉さんが店の準備をしてましたので、この店の名前の付け方を聞いたんですけど、オーナーさんでないとわからないという、もっともなご回答でした。
失礼しました。
さらに歩きます。
するとシャレたお宅が、さすが山手ですね。
表札もブラフ34
ここにもブラフという言葉が使われてました。
そしてここは、山手のテニスコートが近くにある、有名なカトリック教会さんです。
公園坂に行くために、ここを右に曲がりますよ。
そして少し歩いて、おや?、これかな。
なんとなくブラフ溝の雰囲気がありますよ。
確認のため、道路にしゃがみこんで、パチパチ写真を撮ってました。
このまあるい感じ、二つの石を合わせて作ってある、これは間違いなくブラフ溝ですね。
発見でーす!!
坂ではなくて、こんな場所で見つかりました。
この場所のブラフ溝の長さは、だいだい10メートルくらいですかね。
この電柱で途切れてました。
よく見ると、ここのブラフ溝が終わっている電柱の後ろは、現代版の側溝にもなってませんね。
暗渠になっているのかなー
本当のところはわかりませんけど、とにかく側溝にはなってませんね。
ということは、お役所さんも、ここのブラフ溝をみなさんのために残したいけど、このくらいでどうですか、ということで、ここまでにしたのでは。
ちなみにブラフ溝の脇のこの石垣は、ブラフ積みという組み方の石垣です。
事前に読んだ資料に、ブラフ積みの石垣の写真を見てましたので、この石垣はその写真のまんまでした。
長い石と短い石の組み合わせが、こんな具合になってます。
そして公園坂には、ブラフ溝は残ってませんでした。
で、さらに歩きますと、小学校の正門前に到着です。
元街小学校です。
ここでふと、「元町」って「元街」だったの?
エーッ
でも、横浜市がそういうふうに名前をつけたんだから、そうなんだろうな。
こんどは、汐汲坂です。
ここも自転車で何度も通りましたね。
でも、ブラフ溝はありませんでした。
その汐汲坂の途中に、こんどは幼稚園。
こちらは元町幼稚園。
さっきの元街小学校とは、直線距離で数百メートルですけど。
なんか、わけわからなくなってます。
どっちの「もとまち」が正解なんでしょうか。
そんな混乱した頭のおじさんも、この場所が元町商店街だということは、わかりますよ。
きょうはいい天気ですけど、風が強いですね。
街を歩くお客さんは、これからが大賑わいでしよう。
こんどは代官坂です。
ここもブラフ溝はありませんでしたね。
でも、ブラフという名前がついた、パン屋さん「ブラフベーカリー」がありました。
坂ばっかり歩いて来て、ハラペコなので店内のイートインはできないかなとのぞいたら、お客さんがいっぱい。
さんねんですけど、イートインコーナーはありませんでした。
そんなハラペコおじさんは、エリスマン邸の「生プリン」がかなり気になりました。
横浜名物とありますけど、いつから名物になったのかな?
エリスマン邸の向かい側には「ブラフクリニック」があります。
山手の人たちは、ブラフという言葉が好きなんですね。
さいごは、ここ陣屋坂。
この陣屋坂にも、ブラフ溝は無いなーと、ポタポタ歩いてます。
この坂の電柱の看板に注目です。
ほぼ英語の文字だらけ。
日本語は数えるくらいですね。
さすがわ、山手。
陣屋坂が終わるころ、というより、ほぼ坂の下。
ここで、それっぽい側溝を発見!
で、やっぱり側溝の上にベチャっとしゃがんで、パチリ。
やりました!
ブラフ溝です。
この陣屋坂の坂の下に、わずかに残ってました。
というより、残してありました、といことですね。
この写真を見てください。
陣屋坂は上からかなりの距離ですけど、側溝というものは、このブラフ溝だけです。
わざわざ、ブラフ溝を残した、ということがわかりますね。
お役所さん「いい仕事、してますねー」
この陣屋坂では、ブラフ溝はだいたい7メートルくらいの長さです。
何枚も写真を撮っていたら、わたしを不審に思ったおばちゃんが、問いかけてきましたよ。(あたりまえか)
で、しっかりと、ご説明をしたところ、
「ちっとも気にしなかったわ」
というご返事でした。
(そうでしょう。側溝の写真を撮りにくる人は、横浜の山手には住んでません)
きょうの計画は、4つの坂を見て回ることでした。
稲荷坂、公園坂、汐汲坂、陣屋坂です。
目的のブラフ溝はこの陣屋坂だけに残ってました。
ちょっと残念ですね。
山手には他にも坂があるので、そっちにブラフ溝が残っている可能性がありますね。
(山手にはいくつの坂があるんだろう?)
いがいだったのは、カトリック教会の脇の道路にありましたね。
しかも石垣のブラフ積みまでありました。
自転車では気付かないことが、歩くことで再発見になりますね。
ブラフテラス、ブラフベーカリー、ブラフクリニック
「ブラフ」という言葉が、さらにヒッカカッテしまったおじさんでした。
月日:2018年3月4日日曜日
時間:10時~14時
場所:横浜・山手
距離:徒歩7Km
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古いふるい横浜の水道のはじまり「獅子頭共用栓」のいろいろ