宮の坂駅は、東急世田谷線にあるチッコイ駅です。
下の写真のように、ホームもこれだけですよ。
でも、ここにはすばらしいものがあるんですね。
ハイ、これです。
江ノ電601号電車です。
なんとなくカワイイでしょ。
「まーるいのがオスキ」というコマーシャルがだいぶ前にありましたけど、このスタイルはそのまんまですね。
車両の展示場所もこんな感じで、駅のホームにべったりくっついてます。
酔っぱらったおとうさんが、まちがえて乗り込んでしまうのでないかな、と思えるほどですよ。
ネ、どう見ても今にも走りだしそうな雰囲気でしょ。
そしてこれが、この電車の履歴書です。
江ノ電601号となってますね。
これを読むと、65年走って平成2年に現役を引退しています。
ということは、車両工場で生まれて、そのまま走り続けていたとしたら、65歳で現役引退ですか。
お疲れさまでした。
車両のなかには、玉電(玉川電車)の写真もいくつかありました。
出た、イモムシ電車だ。
そんでもって、こちらが車内です。
この握り部分ですけど、今でも通用しますね。
いやー、この網棚。
雰囲気バツグン。
手動で上げ下げする窓です。
これ上げるとき「オイ、そっち持って」と言ったものです。
このポッチ、なかなか硬いものがありましたね。
そして、これは運転席よこにあるドア開閉スイッチです。
これ、押してみたかったんですよ。
ポチっとしました。
ふたつとも、しましたよ。
いがいと硬いんですね、しっかり押さないと下がりません。
当然、下から押して戻しました。(何回もしました)
大満足です。
また、この漢字で書いてあるのがいいでしょ。
そして発車ブザーです。
音は出ませんでした。
ハイ、運転席です。
簡素で良いですね。
もーっ辛抱たまらん、ということで運転席に座って、しっかりとニギニギしました。
ノッチをカチカチと動かします。
これで動いてくれたら、サイコーですな。
床板はおきまりの木製です。
さすがに、油ははげてますね。
こんな貼り紙を見つけました。
なになに、つり輪を持っていくヤカラがいるんですか。
とんでもねーヤローだ。
でも、区民センターの担当者さんは、やさしいですね。
「そっと戻しておいてください」と言ってますよ。
江ノ電601号電車に乗って大満足のおじさんは、ブロンプトンを漕いで帰ることにしました。
しばらくヨタヨタ走っていたら、この人に出会いました。
このかた、さっきからずーっとこの格好です。
旅の疲れがとれませんよ。
ここは、大山詣での大山街道になってました。
大山街道というのは、
その昔、江戸の赤坂から神奈川県の伊勢原にある大山阿夫利神社(おおやまあぶりじんじゃ)へお参りにいくための道のことです。
わたしも、大山街道をブロンプトンで走ろうという計画をしていますよ。
で、このかたは、だいぶ歩いて疲れたので、ここでイップク中です。
そんなチョンマゲおじさんがいるところは、大山道児童遊園でした。
世田谷区の隠れた名所ですよ。
さらにこんな案内もあります。
「蛇崩川洗い場跡」
なんだこれ?
首をかしげながら写真を撮っていたら、ご親切な紳士がツカツカと寄って来て、説明をしてくださいました。
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では日本昔話し風に・・・
♪ボオヤー、
よい子だネンネしなー♪
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「むかーし昔、
ここには蛇のように
クネクネした川が
あったそうな」
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「雨が降って
大水が出ると、
その川の両岸が
なんども崩れよった」
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「それで、
クネクネした川が
よく崩れたので、
蛇崩川という
ようになったそうな」
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「そこには、
よくおばさんたちが
洗い物にきたそうな、
それでここが、
その洗い場跡じゃ」
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なーるほど、
よーくわかりました。
そんでもって、時は過ぎて、この写真はそんな川の跡です。
暗渠になってますね。
で、このありがたいお話を聞いたあと、わたしの軽い頭にはイメージがわいてきましたね。
たぶんこのあたりには、お茶屋さんやらダンゴ屋さんやらがあったのではないかな。
大山街道を歩いて、疲れた旅人さんたは、さっきのチョンマゲさんのように、ここでイップクしてダンゴを食べて、次の宿場へ向かっていったのではないのでしょうか。
まあいずれにしても、めでたしめでたしでした。
※上図は国土地理院タイルに場所等の名前や記号を追記して掲載
月日:2019年5月6日 月曜日
時間:10時~14時
場所:世田谷・宮の坂駅
距離:25Km
世田谷線に沿ってポタリングしました
●出典・地図について
このブログに使われいてる地図や空中写真の一部は、国土地理院発行の電子地形図「タイル」、陰影地形図「アナグリフ」、空中写真などを複製し、自転車走行軌跡や記号等を追加して掲載してます。
地理院タイル一覧ページ
https://maps.gsi.go.jp/development/ichiran.html